万葉集より



元号「令和」の出典は『万葉集』ですので、
五首だけですが『万葉集』からも素読用の素材です。



第一巻より


歌番号0001

仮名:

こもよ みこもち ふくしもよ みぶくしもち このをかに なつますこ いへきかな のらさね

そらみつ やまとのくには おしなべて われこそをれ しきなべて われこそませ われこそば のらめ いへをもなをも

原文:

篭毛與 美篭母乳 布久思毛與 美夫君志持 此岳尓 菜採須兒 家吉閑名 告<紗>根

虚見津 山跡乃國者 押奈戸手 吾許曽居 師<吉>名倍手 吾己曽座 我<許>背齒 告目 家呼毛名雄母

訓読:

篭もよ み篭持ち 堀串もよ み堀串持ち この岡に 菜摘ます子 家聞かな 告らさね

そらみつ 大和の国は おしなべて 我れこそ居れ しきなべて 我れこそ座せ 我れこそば 告らめ 家をも名をも





歌番号0002

仮名:

やまとには むらやまあれど とりよろふ あめのかぐやま のぼりたち くにみをすれば

くにはらは けぶりたちたつ うなはらは かまめたちたつ うましくにぞ あきづしま やまとのくには

原文:

山常庭 村山有等 取與呂布 天乃香具山 騰立 國見乎為者

國原波 煙立龍 海原波 加萬目立多都 怜A國曽 蜻嶋 八間跡能國者

訓読:

大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば

国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島 大和の国は





歌番号0003

仮名:

やすみしし わがおほきみの あしたには とりなでたまひ ゆふへには いよりたたしし

みとらしの あづさのゆみの なかはずの おとすなり あさがりに いまたたすらし ゆふがりに

いまたたすらし みとらしの あづさのゆみの なかはずの おとすなり

原文:

八隅知之 我大王乃 朝庭 取撫賜 夕庭 伊縁立之

御執乃 梓弓之 奈加弭乃 音為奈利 朝猟尓 今立須良思 暮猟尓

今他田渚良之 御執<能> <梓>弓之 奈加弭乃 音為奈里

訓読:

やすみしし 我が大君の 朝には 取り撫でたまひ 夕には い寄り立たしし

み執らしの 梓の弓の 中弭の 音すなり 朝猟に 今立たすらし 夕猟に

今立たすらし み執らしの 梓の弓の 中弭の 音すなり





歌番号0004

仮名:

たまきはる うちのおほのに うまなめて あさふますらむ そのくさふかの

原文:

玉尅春 内乃大野尓 馬數而 朝布麻須等六 其草深野

訓読:

たまきはる宇智の大野に馬並めて朝踏ますらむその草深野





歌番号0005

仮名:

かすみたつ ながきはるひの くれにける わづきもしらず むらきもの こころをいたみ

ぬえこどり うらなけをれば たまたすき かけのよろしく とほつかみ わがおほきみの いでましの

やまこすかぜの ひとりをる わがころもでに あさよひに かへらひぬれば ますらをと おもへるわれも

くさまくら たびにしあれば おもひやる たづきをしらに あみのうらの あまをとめらが

やくしほの おもひぞやくる わがしたごころ

原文:

霞立 長春日乃 晩家流 和豆肝之良受 村肝乃 心乎痛見

奴要子鳥 卜歎居者 珠手次 懸乃宜久 遠神 吾大王乃 行幸能

山越風乃 獨<座> 吾衣手尓 朝夕尓 還比奴礼婆 大夫登 念有我母

草枕 客尓之有者 思遣 鶴寸乎白土 網能浦之 海處女等之

焼塩乃 念曽所焼 吾下情

訓読:

霞立つ 長き春日の 暮れにける わづきも知らず むらきもの 心を痛み

ぬえこ鳥 うら泣け居れば 玉たすき 懸けのよろしく 遠つ神 我が大君の 行幸の

山越す風の ひとり居る 我が衣手に 朝夕に 返らひぬれば 大夫と 思へる我れも

草枕 旅にしあれば 思ひ遣る たづきを知らに 網の浦の 海人娘子らが

焼く塩の 思ひぞ焼くる 我が下心






Copyright ©  素読の練習日記 All Rights Reserved.